ライフスキル教育

~指導者・保護者の観点から~

第3回 技術指導するだけでいいの??

~ライフスキルコーチングの必要性~ PART2 皆さんこんにちは。お元気ですか? そろそろ梅雨の時期に入るのでしょうか。雨にも負けずがんばりましょう! さて、前回はライフスキルコーチング(教育的指導)の高い指導者と低い指導者が指導するチームの選手は、指導者からのコーチングによりライフスキルがどのように関連しているのかといったお話しをしました。今回は結果がどうであったのかをお話しいたします。 少しおさらいをしますと、教育的指導スキルの高い指導者が指導するチーム(A大学)と低い指導者が指導するチーム(B大学)の選手のライフスキルにどのような関連が見られるのかということでした(図1参照)。 1 コーチングスキルの異なる大学生アスリートの 1シーズンのライフスキルの比較 今回は、その結果を報告します。 まず、表1、2を見ていただきたいのですが、これは選手が指導者からライフスキルコーチングをどの程度受けていると感じているのかを調べた結果です。ライフスキルコーチング力の低い指導者の選手は、高い指導者の選手と比べて指導者から受けたコーチングの量が4つの項目すべてで低くなっています。また、コーチングの量もA大学は全て一桁なのに対し、B大学は全て二桁でした。 ここから見ても、指導者のライフスキルコーチング力の高低差が、選手が受け取るコーチングの量と比例しているのが分かります。教える側の指導者のライフスキルコーチング力を高めることが求められるのではないでしょうか。 表1 指導者から受けたコーチングの量 A大学 この表1,2から見えてくるも ◇「可視化を促すコーチング」 これは指導者が「普段から言われたことをメモするよう指導されている と言った内容等で、目標や決まり事を決めたこと、話を聞いたことを文字にするということです。耳で聞きおぼえることは大切ですが、それをしっかりと書きとめいつも見える状態にしておくという指導になります。A大学とB大学では5.54.4と大きくポイントに開きがあるのが分かります。なかなか言われないと気付かない要素なのでしょうか。 ◇「感謝する心を促すコーチング」 指導者から「日頃から周りに感謝するように指導されている」と言った内容等です。これもA大学とB大学では4.1~3.7と開きがあります。感謝の気持ちを促すことは指導により選手に受け止めてもらえることが考えられます。 ◇「目標達成を促すコーチング」 皆さんも夢や目標をもって生活していると思いますが、それをしっかりと促していくことです。A大学とB大学では3.4~2.3と開きがあります。基本的にはアスリートですから、しっかりと目標設定はしていると考えられますが、指導者のコーチングによりさらに受け止めてもらえることが考えられます。 ◇「自発的行動を促すコーチング」 これは、選手が失敗してもポジティブな言葉がけを意識しているかどうかといった内容等です。ミスを恐れず積極性を促すためのコーチングになります。A大学とB大学では4.22.8のポイント差があります。プレーをするうえですごく大切な要素ではないでしょうか。身につけた知識を応用する。つまり知恵に変えることで主体性を身につけていくことです。 以上からも考えられるとおり、指導者のコーチングスキルは、選手にとって受け止めるコーチングの量も大きく異なることが分かります。 次回は、さらにこの受け止めたコーチングの量と選手のライフスキルの関連を1シーズン通してどのように変化しているのかを見ていきましょう! お楽しみに!! 次は、 第4回 技術指導するだけでいいの?? ~ライフスキルコーチングの必要性~ PART3 こちらからどうぞ