ライフスキル教育
~指導者・保護者の観点から~
第4回 技術指導するだけでいいの??
~ライフスキルコーチングの必要性~ PART3
皆さんこんにちは。
前回は、指導者のライフスキルコーチング力の高低差と、選手が受け止めるコーチングの量は大きく異なることをお伝えしました。
今回は、さらにこの受け止めたコーチングの量と選手のライフスキルの関連を1シーズン通してどのように変化しているのかを見ていきましょう。
表1 選手が受けるコーチングの認知と選手のライフスキルとの相関係数
A大学 シーズンイン(5月)

シーズンイン時は、指導者による自発的な行動を促すコーチングで,選手の考える力と関連が見られています。それ以外は何も関連がありませんでした。シーズンに入る前の指導者のライフスキルコーチングが考える力のみ関連していると考えられます。
表2 選手が受けるコーチングの認知と選手のライフスキルとの相関係数
A大学 シーズン中断期(8月)

中断期に入りました。前期を振り返って指導者によるライフスキルコーチングと、選手のライフスキルとの関連が見られませんでした。
表3 選手が受けるコーチングの認知と選手のライフスキルとの相関係数
A大学 シーズン終了後(12月)

シーズンが終了しました。
1シーズンを振り返って指導者によるコーチングと選手のライフスキルには関連が見られませんでした。
表4 選手が受けるコーチングの認知と選手のライフスキルとの相関係数
B大学 シーズンイン(5月)

シーズンイン時を見てみましょう。シーズン前の指導者によるライフスキルコーチングで、感謝する心を促すコーチングと、体調管理・責任ある行動・感謝する心が関連しています。
目標設定を促すコーチングで、最善の努力が関連しています。また、自発的な行動を促すコーチングと、コミュニケーション・謙虚な心が関連しています。まだ序盤ですが、選手のライフスキルに指導者のコーチングが少しずつ関連していることが考えられます。
表5 選手が受けるコーチングの認知と選手のライフスキルとの相関係数
B大学 シーズン中断期(8月)


中断期に入りました。前期を振り返ってみてどうだったでしょうか。可視化を促すコーチングと、目標設定・最善の努力が関連しています。感謝を促すコーチングと、ストレスマネジメント・責任ある行動が関連しています。目標設定は、すでにシーズンに入っているため何も見られませんでした。一方で、自発的な行動を促すコーチングでは体調管理以外全て関連が見られました。
表6 選手が受けるコーチングの認知と選手のライフスキルとの相関係数
B大学 シーズン終了期(12月)

シーズンが終了しました。
1年を振り返ってどうだったでしょうか。
可視化を促すコーチングと、ストレスマネジメント・最善の努力・謙虚な心・感謝する心が関連しています。感謝を促すコーチングでは、体調管理以外全て関連が見られました。
目標設定を促すコーチングでは、体調管理と礼儀マナー以外全てが、自発的な行動を促すコーチングでは目標設定と体調管理以外全て関連が見られました。
まとめ
A大学では、指導者のライフスキルコーチング力が低でした。選手が受け取る、指導者からのコーチングの量も少なく、ライフスキルとの関連も
1シーズンを通してもほとんど見られませんでした。
一方でB大学は、指導者のライフスキルコーチングが高でした。選手の受け取る指導者からのコーチングの量も多かったのがわかります。
まず、
5月から見てみましょう。
6つの因子に関連が見られています。シーズン序盤ということで、少しずつ意識し始めているのでしょうか。
8月を見てみると、前期を振り返った時に、自発的な行動を促すコーチングでライフスキルとの関連がすごく見られています。逆に目標設定の部分は
1つも関連が見られませんでした。公式戦が始まると、もう目標設定という大枠は頭の中に入っていて、どちらかというと
細々と日々の活動を促していくコーチングが有効なのかもしれませんね。
12月を見てみましょう。選手は
1年を振り返った時に、指導者からのコーチングで多くの因子に関連が見られました。このことから、指導者のライフコーチングスキル力が選手のライフスキルに大きく関連していることが分かります。当たり前のことですが、選手のライフスキルを高めようとするのであれば、指導者自身がライフスキルを高めないといけないですね。
最後に、少し気になるのは、
12月は体調管理のみ何も関連が見られませんでしたね。学生は、あまり意識しないのでしょうか。栄養士をつけるなど、特別な配慮が必要かもしれません。
次は、
第5回 集いたくなる場所・絆の強い組織を作ろう!
~~動機づけ雰囲気~~
こちらからどうぞ